essentially=基本的に、本質的に、ほぼ [技術英語]
essentiallyというと、「基本的に、本質的に、実質的に」と辞書に載っていて、英辞郎にもそのような書き方がしてあります。ほとんどの用例ではこの訳語でしっくりきます。
でも、「入力電流は、"an essentially sinusoidal wave"になる」という(日本語部分は私が出会った原文とは違います)表現に出会いました。
「基本的には正弦波」でも、意味は通じる感じです。この訳にすると、入力電流が正弦波の場合もあるが時には正弦波でない場合もある、という意味になります。
でも、essentiallyはanの前に付いているので、essentiallyは、文全体(である)を修飾するのではなく、sinusoidalを修飾するのです。つまり、入力電圧はsinusoidalであるが、sinusoidalの程度がessentiallyである、ということになります(ややこしいですね)。
そこで、この英文が出てきた分野をネットで調べ、ネットサーフィンしました。すると、正弦波のグラフが出てきて、「ほぼ正弦波」という日本語が出てきました。これが、essentiallyのここでの訳語としてしっくり来ます。
ここで問題となるのは、「基本的に」の
和訳を使うと、日本人にも意味が判然と
しなくなることです。「実質的に」であれば、
「ほぼ」の場合と、ほぼ同じになります。
「実質的に」を使うと、ではsinusoidal wave
の実質とは何か?ということになります。
「ほぼ」であれば、深入りせずに、大体、
おおむね、細かい点はさておいて、などの
意味になり、無難です。
いつも思うのですが、英単語と日本語単語は
一対一で対応していないので、辞書で対応語
を示すとき、問題にしている原文とは関係ない
訳をハネなければなりません。辞書編集者は
あらゆる用例を予期してはいないでしょう。
それから日本人でもそうですが、用語の使用
箇所が不適切なこともあります。
「適当にあしらっておけ」における
「適当」の用法は適当ではないのですが、
定着してしまっていますね。
翻訳ソフトですが、インターネットの英語を翻訳
させると、もうめちゃくちゃです。
しかし表現方法を連想するために、非常に
有用ではないかと思います。
昔、WordStarなるソフトがありましたが、
英文の類似、関連、同義表現が数多く
表示され、英米人には便利なソフトで
あると感じました。
by わたしも参加させて (2006-04-09 20:52)