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「ナビつき洋書 オー・ヘンリー短編集」を読みました [ネイティブのこなれた表現]

一昨年ぐらいから、英文学を読んでみようとしています。が、一向に進みません。文学作品は難しいです。作家独特のコロケーションが使われていたり、同じ概念・物を表すのに異なる単語が使われたりするからです。


オー・ヘンリー短編集 (YOHANナビつき洋書)

オー・ヘンリー短編集 (YOHANナビつき洋書)

  • 作者: オー ヘンリー
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本

「ナビつき洋書 オー・ヘンリー短編集」は、短編ならと思って購入しました。1年以上前に購入し、一度半分ぐらい読んだ後息切れし、最近また読み始めました。

「ナビつき洋書」シリーズは、
・ 巻末に単語集が付いている。(辞書を持ち歩かなくても、電車の中等でも読みやすい。)
・ 登場人物が紹介されている。
・ 各ページの下に、そのページのあらすじが書いてある。
ので、読みやすいです。

巻末に単語集が付いていても、辞書は必要でした。熟語がほとんど掲載されていないのと、名詞での意味は載っていても動詞での意味は載っていない、というようなことがあったからです。

英文は原書のままでリライトされていないので、手ごわくて、精読が必要でした。
分からない箇所は多くありましたが、大意は押さえることはできました。あまりつきつめるときついので、大意に支障がなさそうな箇所はとばし、後で、日本語訳で意味を確認しました。

分からなかった所・興味深い表現を、書いてみます。実際はもっと沢山ありましたが、役立ちそうな箇所のみです。(主語が長い箇所は、まとめて「He」と書いたりしています)

・With that chain on his watch Jim might be properly anxious about the time in any company.「あの鎖を時計に付ければ、Jimは、どんな人の前でも堂々と時間を気にする事ができるだろう」(賢者の贈り物)
・Della doubled the fob chain in her hand.「デラは、懐中時計用の鎖を二重に折って握り締めた」(賢者の贈り物)
・I want to turn loose my hold on everything.「私は全てのものへの執着を捨てたい」(最後の一葉)
・Behrman took his seat on an upturned kettle for a rock.「Behrman氏は、岩の上に座る代わりに、ひっくり返したやかんの上に座った」
・It takes the West to put a razor-edge on a man.「人間が切れるようになるには、西部が必要だ」(切れる人間になるには、西部に行くと良い)(20年後)
・If not in coin you must pay in humiliation of spirit for every benefit received at the hands of philanthoropy.(慈善の贈り物を受け取るには、金銭の代価ではないにしても、精神的屈辱の代価を払わなければならない)(警官と賛美歌)
・Soapy walked eastward through a street damaged by improvements.(Soapyは、道路工事で掘り返された通りを、東の方に歩いた)(警官と賛美歌)
・Every hour and minute of her time is arranged for days in advance.「何日も前から、彼女の予定は詰まっている」(マモンとキューピッド)
・He’s too good a judge of the value of money to let drown.「彼はお金の価値をうまく判断できるので、金におぼれない」(マモンとキューピッド)
・He was at once received in the library.「彼はすぐに書斎に通された」(マモンとキューピッド)
・The Talbots owned the slaves to till the cotton land. 「Talbot家は、綿畑を耕すための奴隷を所有していた。」(ハーグレイブズの一人二役)
・He is handicapped for the profession of anthropology.「彼は、人類学を職業とするのは控えた方が良い」(忙しい仲買人のロマンス)
・True adventurers are set down in print as such. 「本当の冒険家は、本当の冒険家として書物に名を留める」(緑の扉)
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コメント 4

torpedo

>・With that chain no his watch
は With that chain on his watch のミスですね?

>・Behrman took his seat on an upturned kettle for a rock.
これは、これは! 状況がはっきりしなければ、とても訳せないような
ところですね。岩の代わりにやかんの上に座るなんて!

>Soapy walked eastward through a street damaged by improvements.
これも一見、変な文ですね。improvementsでdamageを受けるなんて。
昔からの由緒ある石畳の道に「improvements」を加えて返ってダメにした、
などのように解釈しそうです。

>・He is handicapped for
いやあ、これは意外です。他の例文を多く当たってみます。
by torpedo (2010-04-19 22:30) 

oceanbridge

torpedo様誤植を指摘していただきありがとうございます!本文を修正しました。とても助かります。

岩の代わりにやかんの上に座る、というのは、状況からは分からなくて、突然出てきた文章なんです。

他にも沢山和訳に頼った箇所がありました。(長すぎる箇所・流れの中で理解できるものだったので、ブログではご紹介していません。)
和訳はさすがプロが訳したもので、「そういう意味だったのか~」と感心させられるものばかりでした。文芸翻訳は小説を書くのとほぼ同じ、ということがよく言われますが、全くその通りだと痛感しました。
by oceanbridge (2010-04-20 20:45) 

ガーネット

文学作品難しいですよね。私は不謹慎ながら脚注があるとめんどくさい、わからないまま読んでみたいと思うタイプですが、結局わからないのでこうした本は良いのだと思います。ながら学習で音声を聞くのが好きなので、CD付きの色んな文学作品を入手したいなあと考えています。
by ガーネット (2010-10-04 00:51) 

oceanbridge

ガーネット様コメントありがとうございます。
私も、CD付きの本が欲しいのですが、子供向けのリライト版以外、なかなか見つかりません。
文学作品、難しいです。私は、物語の重要な筋に関係する箇所や、そうでなくても知りたい箇所は、どうしても分からない場合は日本語の和訳を見ています。洋書を読んで楽しめるようになるのが目的なので、そういういい加減な読み方でも良いかなという感じです。
by oceanbridge (2010-10-04 19:30) 

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